三菱自動車は、自動車の燃費試験で不正行為があったようです。
国土交通省で4月20日に記者会見が開かれました。
該当者はekワゴン、ekスペース、日産デイズ、デイズルークス
該当車は、2013年6月から当社で生産している『eKワゴン』『eKスペース』と、日産自動車向けに供給している『デイズ』『デイズルークス』の計4車種です。これまでに当社は計15万7千台を販売し、日産自動車向けには計46万8千台を生産しています。
燃費試験については、該当車のいずれについても、開発を担当し認証届出責任を持つ当社が実施していました。次期車の開発にあたり、日産自動車が該当車の燃費を参考に測定したところ、届出値との乖離があり、当社が試験で設定した走行抵抗値について確認を求められました。これを受けた社内調査の結果、実際より燃費に有利な走行抵抗値を使用した不正を把握するに至ったものです。
※走行抵抗:車両走行時の転がり抵抗(主にタイヤ)と空気抵抗
該当車については、生産・販売を停止することといたしました。日産自動車でも販売を停止して頂いており、補償についても今後、協議いたします。
出典
プレスリリース | ニュース・イベント | MITSUBISHI MOTORS
昨年秋に日産からデータがおかしい、という報告が三菱にあり、2月に日産と共同で試験が行われ、3月に分析。結果不正が発覚した模様。
走行抵抗値に不正があったようです
国の検査はどうやって切り抜けたのでしょうか?不思議ですね。
検査の時は燃費性能をシャシーダイナモという測定装置に車を乗せて、走行抵抗値をそこで入力して検査します。それは測定時に決まるものではなく、事前にデータをとった値なので入力した走行抵抗値が間違っていればそのまま結果が出る。だから国は確かめようがない。ということのようです。
シャシーダイナモとは、車の動力(馬力・トルク)を測定するための装置。ローラーの上に車の駆動輪を乗せ、エンジンの力でローラーを回すことで動力を測定します。
この装置は実際の路上走行状態を再現できるため、排出ガスの測定にも用いられています。
実際に取ったデータを開発本部でとったところ、近似曲線の中央ではなく、下方で取ったため、おかしな値が出てしまった。とのこと。
なぜ、このような不正が起きたのか、誰が何のためにこのようなことをしたのかは調査中で不明。
企業の隠蔽体質ガー、とか、ガバナンスを徹底出来ていないとか、云々言われております。それはそれとして、気になるのは該当する車種を既に買って乗っているお客さんへの対応や、これから発売予定の車はどうなの?ということ。
大丈夫、と言われている車種も怪しいですよね。実際のところどうなのかわかりませんし、これから新たに出てくるでしょう。
個人的には、三菱でもどこでも自動車会社にはみんな頑張って欲しいので非常に残念です。巻き返しに期待しています。
質問と返答
アウトランダーなどEV、PHEVは?
→影響なし。と答えているのですが、
今回の不正、走行抵抗値の測定方法に問題があったということで、
実は「RVR」「アウトランダー」「パジェロ」「ミニキャブ・ミーブ」の4車種も同じ方法だった可能性が高いと言われています。この方法について、国交省は「法令に沿っていない」と指摘している模様。
※4月22日
排ガスの値は?
→影響はないと考えている。
四つ星レベルを維持出きている。と、答えていますがこれもよくわかりませんよね。
企業の体質が変わっていないのでは?
全社員にコンプライアンス意識を共有できていなかった。
走行抵抗値は開発段階で開発部が測定し、データの透明性を保てなかったことに問題があった。
海外市場向けの車は大丈夫?
それぞれの国の指定された方法で試験をしているので問題ないと考えている。が、調査中。
エコカー減税対象車の減税はどうなの?
エコカー減税は、国が定めた燃費基準をクリアしている車に対して、自動車取得税、重量税を免除したり、減額したりする制度です。
ところが、今回の不正発覚により、もし該当する車が「実は基準以下の数値でした」なんてことになったら最悪です。エコカー減税を狙って買っている人だってたくさんいるでしょうし。
今のところ、それは三菱が全部払ってくれるそうなので、きちんと時期がきたら申請しましょう。うっかり放置しているとそのままにされてしまいます。